ピヨ子が本気で貧乏ゆすりを始めようとした話

ピヨ子、小3の夏の話です。

ある日、夏風邪を引いて病院を受診しました。

待合室は混み合っていて、呼ばれるまでかなり時間がかかりそうです。

当時、武将ブーム真っ最中だったピヨ子は、持参した徳川家康の本を夢中で読んでいました。

しばらくして、ピヨ子がパタリと本を閉じました。

そして真面目な顔で私に言ったのです。

「貧乏ゆすりしたい」

……え?

私は思わず聞き返しました。

「な、なんで?」

するとピヨ子は、これまた真面目な顔で答えました。

「ストレスがたまってる時は、やったほうがいいって聞いたから。」

なるほど。

どこかでそんな話を聞いたのでしょう。

でも、それはもしかすると、

「無意識にやってしまう人は無理にやめなくてもいい」

という話のことなのかもしれません。

「わざわざやらなくていいと思うよ。」

そう伝えたのですが、

「でもやりたい!」

と譲りません。

「違う方法でストレス発散してちょうだい。」

「ヤダ。やる!」

そこまで言うならと、

「じゃあ、ちょっとやってみて。」

と言ってみました。

するとピヨ子は少し考えて、首をかしげながら聞きました。

「どうやってやるの?」

ズコーーーン!!!!

やりたいと言うほどなのに、やり方を知らなかったのです。

どうやらピヨ子は、「ストレス発散になるらしい」という情報だけを取り入れて、実践しようとしていたようです。

大人からすると不思議ですが、子どもは時々、情報だけをまっすぐ受け取ります。そして、そのまま素直に試そうとします。

病院の待ち時間、私はそんなピヨ子に盛大にずっこけながらも、子どもらしい発想に少し笑ってしまったのでした。